「リサーチマインドを持った総合診療医の養成」合同フォーラム

「リサーチマインドを持った総合診療医の養成」合同フォーラムが開催されました

文部科学省は、将来の超高齢社会における地域包括ケアシステムに対応できる人材を養成するため、「リサーチマインドを持った総合診療医の養成」をテーマに、すぐれた大学の事業を選定し支援する取り組みを導入しました。
今回のフォーラムは、応募59大学の中から選定された15大学が一堂に会し、各大学の事業内容を発信するとともに、本事業への各界からの期待や将来の展望について広く議論し、地域と大学の連携強化の機会を提供することを目的として開催されたものです。

今回は「大学の力を、地域医療の未来へ! ~次世代の総合診療医養成を考える~」をメインテーマとし、文部科学省との連携の下で筑波大学が主管を務めました。

最初の学長あいさつに続いて、文部科学省の手島大学病院支援室長の特別講演がありました。講演では、事業の背景、文部科学省の取り組みや今後の事業展開について詳しい説明があり、急速に変化する医療ニーズに応えるべく、大学もプライマリ・ケアの教育に力を入れていかなければいけないことを実感しました。

次のポスターセッションでは、選定された15拠点による事業内容の紹介がありました。どの大学も、さまざまな工夫を凝らし、その大学ならではの魅力ある取組を紹介していました。その後の意見交換会も含めて熱心な質疑応答や情報交換が行われ、お互い大いに刺激になったのではないかと思います。

 

午後は、「本事業に期待される役割と今後の展望」と題するシンポジウムが開催されました。

総合診療医の重要性と社会からの期待、大学の持つポテンシャルを生かして総合診療医養成に当たる意義と可能性、総合診療医によるリサーチの必要性や大学が果たすべき役割、総合診療専門医の制度設計など、様々な立場からの非常に興味深いプレゼンテーションが行われました。その後のパネルディスカッションも含めて、参加者一同、これからの社会に求められる総合診療医の位置づけと大学が担うべき役割について、理解をを深めることが出来たのではないかと思います。

この事業は今年度からスタートし、5年間続けられる予定です。今回のフォーラムはそのキックオフミーティングにあたるもので、各大学が思いを新たにし、共通の目標に向かって事業を展開していくために貴重な機

会となりました。
筑波大学も、選定拠点の一つとして、社会の期待に応えられる総合診療医を数多く輩出できるよう、努力していきたいと思います。

(前野哲博)