大学院4年の高木 博先生の細菌性髄膜炎の診断における初診時臨床情報の操作特性に関する論文がGeneral Medicineに掲載されました!

大学院地域医療教育学分野博士課程4年の高木 博先生の論文 「Diagnostic Characteristics of Symptom Combinations over Time in Meningitis Patients」が、General Medicine 14:119-125,2013にアクセプトされました!

https://www.jstage.jst.go.jp/article/general/14/2/14_119/_article

 

この研究は、プライマリ・ケア現場の急性髄膜炎における、病歴などの臨床情報からの診断をテーマとしたもので、細菌性髄膜炎と無菌性髄膜炎の鑑別における時間経過を考慮した初診時臨床情報の操作特性を検討したものです。この研究では、髄膜炎が疑われる患者で、受診時に発熱出現後3日以上経過していて、かつ意識障害が認められない場合、最終診断が細菌性髄膜炎である可能性は極めて低いことが示されました。

プライマリ・ケア医が遭遇する髄膜炎のほとんどは、対症療法のみで自然軽快する無菌性髄膜炎であり、どのような患者に細菌性髄膜炎を疑って髄液検査を施行するのか、その判断に苦慮することも多いと思います。結果は、プライマリ・ケアの臨床の現場で急性髄膜炎の診断および髄液検査施行の適応の判断の際に活用できるのではないかと考えられました。

 

筑波メディカルセンター病院での多忙な臨床・教育と研究との両立は大変だったと思いますが、それを乗り越えここまでこられたのは高木先生のご努力の成果だと思います。高木先生のこれからのますますのご活躍を期待しております。

論文が掲載された雑誌とともに。 撮影:阪本直人

(筑波大学大学院地域医療教育学分野 前野貴美)