本講座研究室でトレーニングを受けた医学生の送別会が行われました

筑波大学 医学群医学類には、新医学専攻といって、医学生高学年が
半年間 研究室でトレーニングを受けるプログラムがあります。
本講座では、創立以来初めて、新医学専攻の学生を
受け入れる(2012年10月〜2013年6月:M5〜M6)ことが出来ました。

そして、本日ついにその医学生を送り出す日となってしまいました。

 

 

当日の会では、皆の協力もあり、とってもいい雰囲気の会になりまして、
SEA(significant event analysis)では、半年間(以上)、研究・ヘルスプロモーションに
懸命に取り組まれた彼女のトレーニングの充実ぶりがうかがえました。

 

彼女によると、今回の新医学専攻では、リサーチの取り組みだけでなく、
北茨城や神栖での臨床やヘルスプロモーションの経験をとおして、
総合医(家庭医)の視点に気づくことができたという意見も聞かれました。


(K子さんお手製のお料理も振舞われました)

 

送別会を当初は、ホテルオークラ祝賀会 会場の貸切(笑)も考えておりましたが、
私たちのもてなしと、秘書のK子さん(我がつくば総診の母と親しまれておられる)の
素敵な手料理にたいそう喜んでくれた彼女の反応から、ホーム(本研究室)での会が、
ベストな選択だったと皆感じていました。

 

この短い期間に彼女は、2つの研究テーマに関わられました。

1つは、我々が数多く手がける研究の1つであるヘルスリテラシーをテーマにしたもので、

その研究成果を第4回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会(仙台)で、
2題の口演をし、いずれも高評価を得ました。(発表演題はこちらのページ中盤あたりをご覧ください)

 

さらにもう1つは、彼女自らリサーチクエスチョンを立てるところからはじめ、
研究計画、倫理委員会を通過し、フィールド調査まで行いました。

そして現在、論文執筆中なのです。

これは、学生では決してありえないほど優れたことで、
大学院の高学年ですらヒーヒー言いながら取り組むレベルなのです!!

これは、彼女自身の優秀さはもちろんなのですが、彼女は、低学年の頃に
本校の社会健康医学での実習も受けており、ここでの山岸 良匡先生らの
ご指導も、かなりのアドバンテージになっていると思います。

 


(アットホームな雰囲気でのSEA)

 

ヘルスプロモーション(健康教育)では、M3への適確な指導(食育)、
そして喫煙予防教室(神栖市)の実施に協力してくれました。

北茨城実習では、中郷こどもの家での企画が大好評でした。

大手製鉄所 鹿嶋工場(鹿嶋市)での産業医のシャドーイングでの経験も
興味深かったとのことです。

 

8ヶ月、ともに活動をした仲ですので、とっても寂しいのですが、

次は学生としてではなく、ともに仕事をする仲間として、関わってゆけることを願っております!


(スタッフサイン付きオリジナル修了証書) (小曽根先生の息子さんからもプレゼントが)

 

(文章:筑波大学 総合診療グループ/大学院 地域医療教育学 講師 阪本直人、2013年6月21日(金))

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【資料】本学の新医学専攻に関する解説

■ 本学類では,学生が卒業の時点で基本的な臨床能力をそなえ,全人的医療の行える良医の育成を目標としています。さらに意欲のある学生には早期から医学研究の場に参加できる「新医学専攻コース」を設けています。また,世界に向けての視野を広げるために海外での実習も勧めています。すべての卒業生はここから出発して,将来すぐれた医師(一般臨床医・専門医),医学研究者,行政官あるいは医療・保健・福祉のさまざまな分野で,医学を通して我が国のみならず世界の人々に貢献することが期待されます。
筑波大学ホームページ 医学専門学群説明 より)

■ 医学類 カリキュラム概要(6年間のカリキュラム紹介)
→5.研究室演習・医学研究者養成コース「新医学専攻」(選択) より

■ 国立大学医学部長会議
新医学専攻と研究者養成コース -筑波大学医学類における研究者育成の取り組み- より