私たちは教育を通して地域医療に貢献します

神栖地域医療研修ステーションとは

1. 位置づけ

医師不足は、医師の移動では解決できない

増大する医療ニーズに対して、医師の絶対数不足はなかなか解消しません。深刻な医師不足に悩む地域の病院では、医師1人にかかる負担が増大し、疲弊した医師が退職してさらに医師不足に拍車がかかるという悪循環におちいるようになりました。

医師M

これに対し、医学部の臨時定員増などが行われていますが、焼け石に水の状態です。また、医師の絶対数が急には増えない中で、一つのところで医師を増やすということは、他のところで医師が減ることを意味します。医師の移動だけでは医師不足問題は解決しないのです。

地域医療を実践できる医師を育てる

医師S

人口の高齢化が進むにつれ、住民一人ひとりが抱える健康ニーズは多岐にわたるようになります。それを細かく分化した専門医が別々に支えるという医療では、成り立ちません。あらゆる健康問題に対応でき、その地域の特性を意識した医療のできるプライマリケア医を育成する必要があります。

医師の地域定着のためのサポート

都市部から離れた地域にいても、臨床能力を向上し維持できる仕組み、例えば専門医資格を取得できる指導体制の充実、遠隔会議システム、学会参加のための代診制度などが必要です。また、医師自身のライフステージ(出産・育児、子どもの教育、親の介護など)に合わせた医師地域循環システムの整備も必要でしょう。

医療の効率的な利用のために

医療サービスの需要は増加の一途です。しかしその中には改善可能なものがあります。それは軽い健康問題には自分で対処できるセルフケアの向上と、予防による疾病の抑制です。

医師Y

人々のヘルスリテラシーの向上で、正しいセルフケアと、医療機関受診の必要性を判断できる知識が高まります。ヘルスプロモーションを推進することで、生活習慣病、性感染症、要介護状態などを予防できます。予防接種率の向上も重要です。

地域一体となって対策を考える

これらの対策は、地域だけでも、医療関係者だけでも完成できません。そこで行政、住民、医療関係者が連携して包括的に対策を考える仕組みが作られました。

2. 神栖地域医療教育ステーションとは?

神栖地域医療研修ステーション

地域一体となった対策事業を立ち上げるため、2009年度、筑波大学に茨城県による地域医療教育学寄附講座が設置されました。そのモデル地区として神栖市が、地域医療教育拠点病院として神栖済生会病院が指定されました。
これに加え、2010年度から神栖市による「神栖地域医療研修ステーション設置事業」が始まり、神栖済生会病院に同ステーションが設置されました。
あわせて3名の指導医が週に1~2日ずつ神栖済生会病院および神栖市に赴き、実際の診療にあたるとともに、学生教育、神栖市のヘルスプロモーション事業に従事しています。また、神栖市をフィールドとした地域医療の向上に関する研究を進めています。

3. 神栖市における医学生教育

教育

地域医療を担う人材養成プログラムとして、医学生を対象とした地域定着プログラムを開発しています。現在は、神栖済生会病院の専任看護師・神栖市健康増進課・大学教員が共同でコーディネートして、5年生全員を対象に地域に1週間泊まり込んで行う実習を行っています。病院外来、訪問看護、訪問リハビリ、更には保健センターにおける乳幼児健診、ヘルスプロモーション、市内診療所の協力による診療所実習、ボランティア住民による住民体験実習など、様々な側面から地域を知り、地域を好きになる教育を展開しています。

〒305-8575
茨城県つくば市天王台1-1-1
筑波大学 人間総合科学研究科 地域医療教育学

私たちは教育を通して地域医療に貢献します